絵師名簿No. 002946

ぎんの字(いつだってカオス、どこまでもカオス)

言泉枯渇中

No. 002946 Last Update:2019/03/10 Registration date first time:2007/08/29 CT

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お名前
ぎんの字(いつだってカオス、どこまでもカオス)
年齢
おばちゃん
性別
微妙
地域
地球外生命体
使用道具
液晶ペンタブ
描くの好き
おにいちゃん(うまく描けるとはいっていない)、ギター、トラ、頭にキノコが生えたネコ、風景
描くの苦手
幻想生物(ドラゴンとか)、ギター(好きだけど苦手)
絵のこだわり
爆発・・・はしませんが、精一杯「遊ぶ」
希望感想
不要:イラストを見てもらえれば十分満足です
重視するマナー等
ルールは守るためにあるものです。破るためではありませんよ。
憧れ好きな絵師等
岡本太郎/日比野克彦/五十嵐大介/草間彌生/ユトリロ/コロー/速水御舟/ルネッサンス期の名も無い画家たち
アトネさん好きか〜い?
も・ち・ろ・ん!^^b
最近のヒットは?
パズドラ
ヘヴィ・ローテ中
Super Collider/MEGADEATH
好きなアナログ画材
油絵の具とペインティングナイフ。シャープペンシルとマルマンルーズリーフ無地。
ぱちぱち
☆SAK企画wiki=ttp://themonetapress.wiki.fc2.com/
 担当キャラはウドーくん(・ω・)ノ
 
2019/3/10
下の方のやつ、なかなか更新できない(´・ω・)−3。ハクちゃんを描き直したりとか、描き直したりとか←。のんびりやってます( ˘ω˘ )→すやぁの顔文字が化けるのかw
 
[私信]
そとさんに描いていただいた白鯰のイラスト、はぎさんに添えていただいた「神隠し。」のお話から、妄想が膨らんでしまいました。
>そとさん・・・相馬透くんをお借りします。
>はぎさん・・・纐纈庵の設定をお借りします。
拙い綴りですが、最下部にひっそり格納していく予定です。
 
※塗りコン・線画コンの御礼は下げさせていただきました。
 
*「素」のぎんの字への扉は↓からどうぞ〜。ウソはついていないw
https://oekakiart.net/100q/html/3595.html
 
*ゆるゆるキャラ同盟(非公式)に参加表明^^←ゆるゆるに骨抜きにされる傾向あり。
 
*筋肉でもなくおにーさんでもなく、それですか!の「おやぢぎゃぐ」同盟。いいぢゃないか。好きなんだ。
 
*絵師名簿のバナー文字は「誤字の達人」同盟迷主やまぐちくんさまに描いていただきました^^ありがたや〜ありがたや〜
 
*ヘンリー=フォード氏のとても良い言葉を知り感銘を受けたのでご紹介
「努力が効果をあらわすまでには時間がかかる。
             多くの人はそれまでに飽き、迷い、挫折する」
 
−−−−−−
神隠し。
 
春の休暇を過ごした帰省先から戻り、ボランティアとして雑務を手伝っている資料館に顔を出した透を待っていたのは、受付カウンター横に山積みとなった書籍だった。
休暇中は人手が不足し、返却済みの書籍を整理して書架へ戻す作業は後回しにされる。
建物の外観はそう大きくないのだが、地下に広がる空間に収められた蔵書数は、国立国会図書館のそれに匹敵するとも言われ、また、あらゆる災難にも耐えられるようにと設計された堅牢さから、各所から貴重本が持ち込まれ、保管されている。
通常、お目にかかることが困難な古書も、ボランティア特権で自由に触れることができた。
ボランティアに参加しているのはそれが目的というのもある。
腕まくりをして片付けを終える頃には、昼を過ぎていた。
弁当の包みを肩掛けカバンから出し、表の自動販売機で温かい緑茶を買ってきて、受付カウンターで一休みする。
おにぎりを頬張りながら、貸し出し端末のデータを何気なくチェックすると、ほぼ同じ所属籍コードがずらりと並んでいた。
1日に数十冊が貸し出されては、翌日にすべて返却されている。
どうやら、透が不在の間に書籍を山積みにしたのはこのコードの持ち主らしい。
(それにしても)
午前中かかって、片付けた書籍はどれもかなりの厚みがあった。
借りた書籍をちゃんと最初から最後まで読んでいるとしたら、恐ろしい読書スピードだ。
気になって、書籍のタイトルを数冊、確認した。
内容は近隣の郷土史を著したものがほとんどだったが、執筆された時期がごく最近から古くは平安末期までと幅広い。
この土地にそんな古くから歴史があったことは驚きだが、しかし、執着するほどに特別な何かがあるとも思えない。
そう不思議に思うくらい、ここは平凡でありふれた町だ。
書架に戻し忘れた1冊が残っていることに気付き、何気なく開いて目次をなぞる。
この地に古くから伝わる民話や伝承を収集し、編纂されているようだ。
「さかさかがみの池」や「鳥居の岬」など、この辺りでは知らない者はいない名所史跡についての掲載のある。
「さかさかがみの池」は漢字では「逆鏡の池」と書き、休日になると家族連れで賑わう大きな公園の中にある。
岸辺にはレジャー用のボートが数艘係留された小屋もある大きな池だ。
梅雨明けの頃には蓮の花が咲き、早朝からカメラを携えた人々が詰めかける隠れた名所となっている。
「鳥居の岬」は、その名の通り、鳥居が複数、連なって建つ岬だ。
この岬は透もかねてから不思議に思っていた。
鳥居を抜けた先は、御神体を祀る社ではなく、海へと続く切り立った崖だ。
岬の先端に向かうにつれ、ゆるやかに上っていく所為か、高天原に繋がっているという伝承もあるらしい。
などなど、書かれている内容の大方は「そんなバカな」と笑い飛ばす都市伝説のようなものだ。
だが、透にはそうすることができない経験がある。
(そういえば、季節もこの頃だったな)
10歳の自身に降りかかった不思議な数日間の出来事が透の記憶に蘇ってきた。
 
断続的に息を吐き続ける口も喉もカラカラで、肺は破裂しそうだった。
チラと背後を見て、すぐに前を向き直し、千切れんばかりに手足を動かす。
春休みもあと少しで終わる頃。
その日も透は日課の散策を楽しんでいた。
春が訪れたばかりの山は、冬眠から目覚めた動物たちはまだ少なかったが、それでも、透に気付いた小動物たちが、木々の合間から顔を覗かせた。
目が合えば、軽く挨拶をするのだが、向こうは、それに驚き、そそくさと木陰に消える。
いつもと何も変わらない散策のはずだった。
だが、いつの間にか見慣れた景色は消え、群れ立つ木々の密度は増し、太陽はまだ南を回ったばかりのだったのに、辺りは薄い闇が降りてきていた。
何かおかしいと気付いて、後ろを振り返ると、来た道は忽然と姿を消している。
狗狸の類に化かされているのだろうか。
そんな時は、少し休憩するといいと聞いていたが、どうにも嫌な予感がした。
見慣れた道を探して先を急ぐうちに、ゆっくりと霧が出てきた。
霧自体は珍しくもない。
村でも時々、霧に包まれることがあった。
ただ、透を目指してきたその霧は、絡みつくようで、薄気味が悪い。
この場から離れなければ、と、少しずつ後ずさる足が小枝を踏んだ音を合図に、霧に背を向けて走り出す。
だが、走っても走っても、霧は透の後を追ってきた。
息が切れ、足がもつれ、とうとう、透は地面から少し盛り上がっていた木の根に躓き、突っ伏すように地面に倒れた。
強かに地面に打ち付けた膝の痛みにかまっている場合ではない。
嫌な気配が辺りを覆っていた。
恐る恐る顔を上げ、背後を窺う。
ぽうと霧の中に光がふたつ、透を眺めていた。
透が生唾を呑み込むと同時に、ふたつの光は獲物を見つけた捕食者のようににぃっと歪む。
蛇に睨まれた蛙のように透は動けなくなってしまった。
緊張の所為か、眩暈を覚える。
霧は数多の手を透に向かって伸ばしてきた。
「う」
逃げろ、と本能が喚いたが、指一本動かすことができない。
霧が透の身体にその手を巻き付けてくる。
もうだめだ、と、ぎゅっと目を閉じたとき、霧を裂いて、大きな白い塊が透と異形の間に立ちふさがった。
低く重いうなり声を発して異形を威嚇するそれは、見たこともない大きさの白い犬だった。
「去れ」
凛と響く声が異形を怯ませた。
霧の中から現れ、白い犬の脇にすっと立った背中を、眩暈でぐらぐらする意識が、捉えた。
その姿はちょうど真後ろで、透からは顔が見えない。
かろうじて、身の丈は透と同じくらいだと判断できた。
淡い色の少しクセがある栗毛、白地の着物に藤色の羽織。
透を諦め切れないのか、低い唸り声が響いた。
耳障りな音に周辺で息を潜めて窺っていた生き物たちが慌ただしく逃げ去る音が聞こえる。
「去れ。何度も言わせるな」
空気が凍りついた。
見えない力に押されたように、霧が引いていく。
獲物にありつけなかった悔しさに苛立つ唸り声を発しながら、霧が晴れるように異形は消えた。
張り詰めていた空気の緊張が緩んだと同時に、透の意識もふと遠のいて、真っ暗な闇に包まれた。
 
ぼそぼそと話す声がする。
「破れ穴に迷い込んだということは、その類、ということか」
「穴の中にいたということは、そういうことだろうな」
「ならば、通常の手段で返すことは不可能・・・か」
ふっと溜めていた息を吐く音が聞こえた。
「次に破れ穴が口を開くのはいつだ?」
「七日後、とハクは言っておったな」
ぱちんと何かが爆ぜる音がした。
薄目を開けて様子を伺うと、まず、囲炉裏が視野に入ってきた。
白い灰にくべられた薪が真っ赤に染まり、熱を発している。
「気がついたか」
頭寄りの囲炉裏端から声を掛けられ、驚いて、透は瞼を強く閉じてしまった。
「驚かせてしまったか。そう恐がることはない。気分はどうだ?どこか、痛むところはないか?」
透は恐る恐る目を開けた。
声をかけてきたのは初老に差し掛かったと思われる風体の人物だった。
囲炉裏端に足を組んで座っている。
身体を起こそうとして眩暈を感じ、透は小さく呻いた。
「まだ無理はするな」
若くはないが、ごつごつとした掌が透を支えてくれた。
「ここは?」
起き上がることを諦めて、透は床に並べられた座布団の上に再び身を横たえて訊いた。
「さて、答えたものか」
無精ひげの生えた顎を撫でながら、そう、呟いた時。
「ハク、部屋へ戻れ」
それまで一言も発せず囲炉裏を挟んで向かいに座っていた男が俄かに口を開いた。
気配を感じて、透は肩越しに背後を振り返る。
廊下と室内を隔てている障子の合わせ目が一寸、開いていた。
だが、その隙間の向こうに見えるのは廊下の壁で、そこから中を窺っていた気配は軽い足音とともに去っていた。
「他に誰かいるの?」
開いたままの隙間から視線を戻しながら、そう訊ねた透の質問には答えず、囲炉裏を挟んで向かいに座っている男は再び口を開いた。
「家に返してやりたいが、すぐというわけにはいかない」
「?」
「通路が再び開くのは七日後になる。それまではここに逗留してもらう」
向かって左に座っている、愛想の良い初老の男とは裏腹に、正面の若い男は抑揚なく淡々と透に宣告した。
「え?あの、それって」
狼狽える透にかまうことなく、若い男は立ち上がった。
紺色の着物に藍色の羽織姿はかなりの長身だ。
黒い髪は青味を帯び、透を見下ろす瞳は夕焼けを思わせる橙がかったトパーズ色。
まるで金目のカラスのようだと透は思った。
「親父、あとは頼む」
「寝泊りはここでさせるか?それとも、下に頼むか?」
親父と呼ばれた初老の男の問い掛けに、若い男は廊下に出かけたところで立ち止まって、少し考えた後、「いや、親父がついてくれ」と答え、出て行った。
初老の男は肩を竦めて透に笑顔をみせた。
若い男とはやり取りから察するに親子なのだろうが、ずい分と性質が違うようだ。
「すまんな。そういうことだ。しばらく不自由な思いをさせるが、辛抱してくれ」
透は首を左右に小さく振った。
「いえ、お世話になります」
「何、かまわんさ。おっと、そういえば名乗っていなかった。俺は鉄扇という。それから、さっきまでそこに座っていた無愛想な男は息子の濡羽だ」
「鉄扇・・・さん、俺は相馬透、透でいいです」
「鉄さんでいいぞ。みんなそう呼ぶ」
「じゃあ、鉄さん。あの・・・」
「うん?」
「俺はどうしてここに?」
鉄扇はぼさぼさ髪の頭を右手でがりがりと掻いた。
「それは、こっちが聞きたいくらいだが。憶えていないのか?」
鉄扇は簡単に経緯を説明してくれた。
ただ、その説明の中には、何かが抜け落ちていたが、それが何かも透には思い出せない。
そんな透を余所に、鉄扇が手招きをした。
囲炉裏の間、一方に隣接する部屋の襖を開けて待っている。
「寝泊りはこの部屋でしてもらう。布団が要るな。あと、浴衣か。すまんが、手伝ってくれ」
布団やら、寝間着代わりの浴衣など、当座の生活に必要な品々を収集しがてら、鉄扇は建物内を案内してくれた。
囲炉裏の間は四方を襖に囲まれているが、鉄扇の部屋を反時計回りにそれぞれ正面玄関、庭、中庭へと出る。
正面玄関は広く、上り框から少し手前に引っ込んだところに、表面に立派な五葉松が描かれている一畳ほどの衝立が置かれている。
廊下からガラス越しに見える和風の庭は広く、よく手入れされていた。
中庭はそれとは対照的に白い石が敷き詰められているだけで、殺風景だ。
庭を見ながら奥へ進むと、廊下は二手に分かれた。
一方は庭に沿って真直ぐ奥へ続き、一方は庭とは反対方向に直角に折れ、中庭に沿うように伸びている。
真直ぐ奥へ進んだ先は蔵で、収蔵物は主に書籍だと鉄扇は教えてくれた。
「入るのはかまわんが、さて、気に入るような物があるかどうか」
書籍は古書の類で、透ぐらいの年ごろの子供向けではないと言いたかったらしい。
鉄扇は中庭に沿った廊下に進んだ。
中庭とは反対側に並ぶ部屋の襖のうちのひとつを開け、中から寝具一組と浴衣を出してくる。
「浴衣は大人用しかないが我慢してくれ」
透は頷いて受け取った。
布団と浴衣を運んで、さらに廊下を奥に進むと、突き当りで再び分岐した。
中庭に沿って進むと、囲炉裏の間へ戻る。
途中には台所、風呂、トイレなどの入り口が並んでいた。
分岐点で透は足を止め、もう一方に伸びる廊下の先を見つめた。
窓らしきものがない所為か、奥はぽっかりと暗闇になっている。
鉄扇は何も言わなかった。
「透」
鉄扇が呼んだ。
透は暗闇に背を向け、鉄扇の後を追った。
 
−−−−−−

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