絵師名簿No. 007526

WhiteB(しろくま)

返信あります

No. 007526 Last Update:2020/02/02 Registration date first time:2014/04/11 CT

Web
お名前
WhiteB(しろくま)
誕生日
01月18日
年齢
20〜29才
性別
女性
使用道具
ペンタブ
描くの好き
青年、女の子
描くの苦手
動きのあるもの、手
絵のこだわり
バランス
希望感想
甘口:欠点指摘不要。お手柔らかにお願いします
レスに気付く期間
割とこまめに見てますが、返信の内容が中々決まらず遅れることが多々あります。
重視するマナー等
誹謗、中傷ダメ絶対。
最近しているゲーム
スプラトゥーン
メッセージBox
 ソース元:学生戦争ったー ttp://shindanmaker.com/293610 
 更新速度:更新停滞中
 
***********************
一枚目:宗教学戦アニメ塗り(毬屋さん、そとさん、もげぴこさん宅のお子さんお借りしています。)
二枚目:そとさんの名簿の悪魔の便乗品(秘書系悪魔とかめちゃくちゃ素敵な称号もらったのに全力で台無しにしています)
三枚目:悪魔verいろいろ(そとさんの名簿の七希と司場が可愛くて可愛くて( ;∀;)はしゃぐしまかわいい。たがいの好きなもの見つけては教えている、透君としとりんかわいい。悪魔は人間のような食事はとらないけど娯楽として楽しむことはあると解釈して、娯楽でしかないため食事を楽しまない司場においしいと言わせるのが悪魔七希の目標だと私が楽しい。)
四枚目:宗教学戦いろいろ
(毬屋さんの堕天使凜道めちゃくちゃかっこよかったです!茨の冠のような天使のわっかのデザインとても好きです。そとさんのマフラーもらった静間のその後照れ隠しの独り言をちょこちょこ。静間の心境を綴った文を見てそとさんにうちの子心理描写テスト静間部門があればぜひ花丸満点を受け取っていただきたいです。)
 
小説追加あります。
 


 
宗教学戦の方のお話し ぽいっとな
七希視点、司場たちが七希の所に居候するようになってから割と月日が経っている頃のお話し。
途中までです。
 

 

その急な知らせを聞いたときひどく驚いた。が、その反面どこかでいつかこうなると知っていたような奇妙な感覚がした。
 

「兄さんが目を覚まさない」
 

その日もいつもどおり四人分の朝ご飯の支度をしていたところだった。いつもならまず最初に起きてくる彼の姿が中々見えないことに疑問は感じたが、たまにはそういうこともあるだろうと大して気にはしなかった。
だが朝ごはんが出来上がっても誰も起きてこないことは一度もなく、さすがに何かあったのかと部屋まで迎えに行こうとしたところで、静間君が部屋に入ってきた。
足取りはいつものような軽さだったが、その顔には彼にしては珍しく困惑した表情が浮かんでおりすぐに只事ではないことが分かった。
なんと言葉にすればいいのかためらった様に口を少し動かした後、静間君は私に司場さんのことをそう告げた。
 

 

「・・・」
 

教会の来客用のベッドで神父さんと修道女さんが眠ったままの司場さんを診てくれた。
教会に連れてくるまでの間にも何度か呼びかけたり、揺さぶってみたが起きる気配は全くなく、今も司場さんは眠り続けている。
 

「夢魔か悪鬼の類か?」
「・・・ちがう」
「まぁたしかに憑かれているならもう少し嫌な空気がするはずだな。」
「夢魔や悪鬼なら僕が見落とすわけないです。」
 

修道女さん、しとりさんに対してきっぱりと言い切るものの静間君の顔は暗い。
 

「何もないからわからないんですよ。」
 

見習いの身とはいえ天使。そして静間君は最愛の兄であり見習い天使の身までおちた司場さんのことは特に気にかけていた。彼が事前に異変を察知できなかったことが相当悔しくて辛いことなんだと、いつもより低いけどほんの少し震えている声音を聞いて改めてわかった。
 

「ねむって・・・まもってる?」
 

神父さん、透君が司場さんの頭を撫でながらそうポツリとつぶやいた。
 

「守るって何をだ?」
「じぶん」
「ん?」
「かぜ・・・つらい・・・ねむる」
 

断片的に出てくる透君の言葉は今でも時々自分には分からないことがあり、どういう意味かと頭の中をめぐらせているとしとりさんが先に答えを出してくれた。
 

「つまりこいつは、何らかの理由で体力を消耗していて消耗を抑えるために眠っているということか。」
 

しとりさんの言葉に透君がこくりと頷いた。今の言葉が本当なら眠らされているというよりは自分で眠っているということになる。微妙な違いではあるが、ただ起こせばいいわけではないという点で違いが出てくる。
 

「なぁ」
 

声がかかりふと下の方に目を向ける。これまでほとんど言葉を発さなかった凜道がこちらをじっと見つめていた。
 

「どうしたの?」
「・・・そいつお前や静間に隠してたんだがずっと調子が悪かったんだよ。」
「!?」
 

凜道が急に話し始めたことに静間君がすぐに反応した。
 

「調子が悪かったって・・・いつから?」
「目にみえておかしかったのは一・二か月前から、だがあいつ自身はもっと前から違和感があったみたいだが。」
「なんで・・・そんな前から、気付けないはずない。」
「あいつが意図的に隠せばほとんどわからない。本当に些細なところからだったんだろ。」
「目にみえておかしくなった後も?」
「・・・目に見えておかしくなってからは俺が手を貸していた。」
 

凜道が言葉を言い切るのと静間君が凜道に掴みかかるのはほぼ同時だった。
 

「なんでそんな勝手なこと!僕に黙って!」
「あいつには何度も言った。こんなことしてもすぐにバレる。隠し通せるものじゃねえって。」
「だったら!」
「それでもあいつは心配かけたくなかったんだよ。特に静間お前には。」
 

一瞬伝えるべきか悩んだのか凜道の口が止まる。だけど静間君の納得できない表情に口を開いた。
 

「あいつずっとお前に負い目を感じてたんだよ。自分の勝手な行動で天使としての力を失ったのに、お前に力の肩代わり半分させたから。」
 

凜道から告げられた言葉は、憔悴しきっていた静間君にはとどめに近いものだった。俯く前に見えた彼の表情は泣きだしそうに見えた。
 

「そんなつもり・・・僕には・・・。」
 

うなだれる静間君をしとりさんがそっと凜道から離し、椅子に座らせた。その様子を見守る凜道の顔も少し悲しそうに見えが、つぎの瞬きでいつもの眉を寄せた表情でこちらに向きなおっていた。
 

「俺に分かることもなんもねぇが、あいつ自身も原因が分からないといっていたのは覚えている。」
「司場さん自身しかきづかないような小さな違和感って何?」
「聞いた範疇では、身長だな。静間や俺は大きくなっているのにあいつだけちっとも大きくなってなかった。」
「それは、懲罰の差じゃないの?」
「懲罰は見習い天使への降格で済んでいる。成長そのものに懲罰は関係ない。」
「あきらかな違和感は?」
「・・・一番はっきり出ていたのは、この間の悪魔祓いであいつが負傷した時だ。あの手が焼け爛れていた。あの傷俺や静間なら、ほっといても三日で治る傷だがあいつの傷はいっこうに良くならなかった。」
「でも一週間ほどでほとんど―」
「それが俺の手を貸した部分だ。俺の天使の力をあいつに渡していた。あの時点で治癒の力がほとんど機能していなかったのは事実だ。それ以外にも天使の力が落ちているのか、飛べなくなったり、気配察知が遅れたりが何度かあったみたいだが。」
 

凜道から告げられる事実に静間君ではないが泣きたくなった。そんなにも兆候があったのにそれでも気付けなかったことがただただ悲しかった。
 

「・・・だからやめろといったんだ」
「え?」
 

凜道が小さくつぶやいた声が聞き取れず聞き返すと、なんでもないと首を横に振られた。
凜道の話を一緒に聞いていたしとりさんが口を開いた。
 

「凜道の話が本当ならあの天使様は力を少しずつ落としていたってことか。」
「落としすぎた結果、活動すらも困難になり眠っている。」
「そういうことになる・・・な。問題はやっぱ落とした原因だが。」
「そと・・・より・・・なか」
「うん?外的なものっていうより内側の問題?となると天使様自体に何かあるのか?」
「・・・」
「なにかわかりますか?」
「・・・」
「どうなんだ?」
「・・・わからない」
 

溜めに溜めた後の透君の返答にしとりさんが盛大に肩を落とした。
 

 

しとりさんの提案で、一度ご飯にすることになった。意外にも一番反対したいであろう静間君がその提案をすぐに受け入れた。いいのかと尋ねると、まだ落ち込んだ様子は抜けていない顔を隠すようにしながらこう答えた。
 

「僕たちはともかくあなたたちはご飯を食べないと体がもたないでしょう。」
 

突っぱねるような返答にまざった優しさが、ふてくされた時の司場さんによく似ていて兄弟なのだなとどこかが温かくなる半面どこかがちくりと痛んだ。
 

 

というわけで、昼ご飯のため厨房を借りている最中だ。簡単につまめるものにしようと、サンドイッチとスープをこしらえていく。
 

(卵のホットサンド、司場さん好きだったな)
 

司場さんは食事をとるようになってからも、しばらく静間君や凜道みたいにこれが好きとか嫌いとか教えてくれなかった。食事の様子をみても、表情を変えず好物を探るのにとても苦労した。大分後になって、その理由を尋ねると衣食住を提供してもらっているのに好みの主張など厚かましすぎるだろうと、何とも司場さんらしい理由が返ってきた。
 

(今はだいぶ顔に出るようになったからわかるけど)
 

卵を挟んでパンを切っていく。
 

(好みがわかったのって初めてシチューを出した時、小さくおいしいって呟いてくれたからだったっけ。)
 

きったパンをバスケットに詰めていく。
 

(あの時聞き返したら、司場さんの顔がみるみる赤くなって。ああ、思わずだったんだなって、嬉しかったな。)
 

人数分足りるかの確認をする
 

(・・・)
 

人数分。
 

(・・・かな?)
 

考えちゃいけないことだ。その仮定に意味はない。
 

(私のせい・・・なのかな?)
 

天使の力を蓄える名目で、三人は私の所に来た。日々の生活だったリ、食事だったリ、感謝だったり、当たり前のことで力は少しずつ戻っていく、そう教会に時々いる女神さまにも教えられた。女神さまは、私みたいな人間の傍にいるのが一番はやいとおっしゃっていたけど―
 

(私じゃ力不足だったのかな。)
 

天使としての力が回復するどころか消耗している。しかも急激にではなく、徐々にだ。日々の生活に何か問題があったという可能性も捨てきれない。
 

(だめだ。だめだ。)
 

悪い癖だ。原因を自分に向けて立ち止まるのは、司場さんにもさんざん注意された。私が問題なら、凜道や静間君にもなんらかの影響があっていいはずだ。それはない。
 

(卑下する暇があるなら、ちゃんと考えなきゃ。じゃなきゃ司場さんは目覚めない。)
 

もう一度凜道に司場さんのことを聞こうと気合を入れ直すと、サンドイッチがたくさん入ったバスケットとスープの入った鍋を抱え、厨房を出ようとした。
 

 

「こんにちは、嶋七希ちゃん」
 

自分以外いなかったはずの厨房の奥から声がかかったのはその時だった。
 

 
振り返ると、厨房の窓を背にして長身の男性がたしかにそこに立っていた。暗い色の赤茶の髪に、鮮やかな赤眼。そしてなにより目を引くのが、その背にある大きな蝙蝠のような翼。
 

「悪魔さん…ですか?」
「さんづけで呼ばれることは少ないから新鮮だなー。」
 

そう緩い口調で返されると、なんとなく教会に住み着いている方の悪魔さんを思い出した。彼もいつも緩い感じの喋り方だが、何となく彼とは受ける印象が違った。
その目元が笑っているように見えないからだろうか。
 

「私になにか御用ですか?」
「悪魔と気づいていながら会話を続ける。中々肝が据わっているね。」
 

こちらの質問に、相手はあまり答えるつもりはないらしい。司場さんのこともあるため、今悪魔を教会内に置いておくわけにもいかない。誰かに助けを求めるべきかと考えていると、目の前の赤い悪魔さんが話を切り出してきた。
 

「天使さんを目覚めさせたい?」
 

今一番の気がかりに急に話を振られて、持っていた鍋を落としそうになるがすんででこらえる。
 

「―それは」
「目覚めさせたい?」
 

質問の意図や、真意を問わせる暇など与えないと言わんばかりに答えを促してくる。ならばと、さきほどからこちらを値踏みするかのような赤い眼を真っ直ぐ見据えて向こうも望んでいるだろう答えを返す。
 

「目覚めさせたい」
 

私の答えに悪魔のさんの眼が細まる。
 

「方法が一つある」
「それは―」
 

それは何?と問おうとしたところで、言葉が途切れた。横から細長い何かが通り過ぎていったからだ。細長い何かは赤い悪魔さんの所までまっすぐ飛んで行ったかと思うと、火花をちらして地面に落ちた。
 

「七希さん!」
「有栖君!?」
 

声と一緒に有栖君が厨房に飛び込んできた。いつも持ち歩いている、刀はすでに抜かれておりその鞘が先ほど赤い悪魔に投げつけられたものだとわかった。
有栖君は刀を悪魔の方につきつけると私を悪魔から庇うように前に出た。
 

「あらー、もうちょっと二人っきりでいれると思ったんだけど。」
「教会の前に、悪霊を放ったのはお前だな?」
「悪霊?」
「つい十分ほど前に、急に教会前に現れたんだ。状況が状況だから、すぐに払ってしまおうとみんな教会の外に出ていて。そしたら今度は教会の中に悪魔の気配がする。」
 

透君たちが残りの悪霊達を引き受け、有栖君が教会の中に残った私の様子を見に来てくれたという話だった。
 

「目的は何だ?」
「今それを彼女に話していた所だよ。ね、七希ちゃん。」
 

赤い悪魔さんがそうこっちに笑いかけてくる。警戒している有栖君はより不信感を募らせたらしく、私を悪魔さんから遠ざけようとする。
 

「もしかして信用ない?」
「話術によるだましは悪魔の十八番だ。信用以前の問題だ。」
「やっぱり神職さんは、お堅いなぁ。俺だって悩んだんだよ?でも天使さん達は論外だし、でもあとは神職関係者ばっかりだし。」
 

だから声をかけるのを彼女にしたんだよ、と悪魔さんが愚痴をこぼす。
 

「まぁそろそろお片付けが済んだ他の人も来ちゃいそうだし、話を進めようか。」
 

おっかない修道女さんに銀弾打ち込まれる前にと赤い悪魔さんはあくまで軽い口調でそういった。
 

 

 

「状況は分かった」
「その言葉、銀弾うちこむまえに言ってほしかったな」
 

赤い悪魔さんがそうつぶやくと、銃声とともにその頬を弾丸がかすめた。
 

「不法投棄と不法侵入罪確定で体にぶちこまれなかっただけ感謝しろ。」
 

しとりさんが赤い悪魔さんを睨みつけながらそう言い放った。すでに悪魔さんの周りの壁は銃痕でボロボロでしとりさんの怒りの具合がよくわかる有様になっていた。ちなみにしとりさんは一切体を狙わなかったわけではなく、悪魔さんが盾に使ったテーブルと椅子ももれなくボロボロになって床に転がっていた。
 

「出会い頭に眉間狙ってきたの忘れて・・・危な!」
 

床に転がったテーブルの破片を悪魔さんが蹴り上げると、銃弾がそこに命中しテーブルの破片がただの木片へと変わった。
話が進む前に悪魔さんがしとりさんに撃ち殺されるんじゃないかとヒヤヒヤしながら見守っていると、神父さんから肩を叩かれた。
 

「だい・・・じょうぶ?」
「あ、心配おかけしました。有栖君もすぐ来てくれましたし大丈夫です。」
「よかった・・・しとり・・・すごく・・・しんぱい」
「しとりさんが心配して―」
「透!!七希に何教えてるんだ!!」
 

気が済むまで弾丸を打ち込んできたらしいしとりさんが、透君の報告に慌てて戻って来た。透君の口をつまむと喋れないように抑えている。
 

(教会内に悪魔がいるのがわかって有栖さんが建物に入ってから目に見えて焦ってました)
(しまいには、弾丸つかわずに聖水ふりかけたブーツで悪霊どもを蹴っ飛ばしていたからな)
「しーずーまー?りーんーどー?」
 

私の横にすすすときて、さっきの状況を静間君と凜道が説明してくれた。が、それに気づいたしとりさんが二人を鬼の形相で睨みつけた。
 

「凜道お前何自分は関係ありませんて顔してんだよ!悪魔の気配に気づいた瞬間、七希!って叫んでいた―」
「ああああああ!」
 

しとりさんが何かを指摘しようとしたところで、凜道が大声を出してかき消した。凜道の顔もしとりさんに負けず劣らず真っ赤になっており、怒りの形相を呈していた。
 

「それは関係ねぇだろ!!」
「あ?じゃあ教会の扉をふさぐ様に悪霊が纏わりついたときの急いでんだよ!邪魔すんな!の方が―」
「一々覚えてんじゃねぇよ!!」
 

まさかの別の喧嘩が勃発してしまい、どうすればいいかと周りを見渡すと廃材になった家具の山に埋もれた悪魔さんを透君が助け出しているところだった。
 

「おちゃ・・・どうぞ」
「・・・マイペースな人たちばかりだなぁ」
 

悪魔さんのことはよく知らないし分からないが、なんとなくその呟きだけは本心からのもののような気がした。
 

 

 
持ってきた昼食をはさんで、悪魔さんからの提案を聞くことになった。司場さんが眠っているのは、司場さんの内側に原因があるというのが悪魔さんが来る前にでていた結論。そして悪魔さんの提案はその内側を探るというものだった。
 

「内側を探る?」
「そう。俺の力で眠っている天使さんの心の中、まぁ今なら夢の中になるけどそこに入って直接原因を調べる。」
 

精神干渉とか、夢に引きずり込むとかそれこそ悪魔の十八番でしょ、とこちらに笑いかけられてさすがに返答に困っていると凜道と静間君が私との距離を詰めてくれていた。
 

「愛されてるね、七希ちゃん。」
 
にこにことこちらを見ている悪魔さんを見て静間君の表情が険しくなる。
 
「悪魔が一般人に話しかけていたら、警戒するのは当たり前でしょう」
「本当にそれだけ?」
「付け加えるなら、あなたが特に気に入らないってことでしょうか?」
 

先ほどまでの意気消沈ぶりよりは、元気になったと喜べばいいところなのかもしれないが、静間君の悪魔さんへの風当たりが強い。天使だから悪魔を嫌うのは当然なのだが、教会にいるもう一人の悪魔さんへの静間君の対応と比べても、あながち特に気に入らない発言はでまかせでもない気がした。
 

「で、内部に入るって具体的にどうすんだ」
 

しとりさんが話を促すと、悪魔さんが右手を前に出しそこから一つ林檎を生み出した。赤というより黒に近い色をした林檎は、なんとなく昔読んだお伽噺にでてくる毒林檎を思い出させた。
 

「俺の力を簡単に結晶化したものだよ。食べると眠っちゃうけど、同時に近くに眠っている対象がいればその夢の中に入ることができる。」
「それで天使様の昏睡の原因を探れってことか」
「そ。というわけで、はい。」
 

とても軽いノリで悪魔さんは林檎を前に差し出してきた。私にだ。
 

「え」
「は?」
「な?」
 

私が林檎に手を伸ばすよりも先に凜道が奪い取ろうとして、その前に悪魔さんが林檎を自分の所へ引き寄せていた。
 

「だめだよ、天使さんが触ったら砕けてしまう。」
「なんのつもりだ?」
「別に。声をかけた理由と一緒だよ。彼女が一番適任だから渡そうとしただけだ。」
 

天使には悪魔の力は使えないしそもそも林檎を食せない、神官・神父・修道女である三人も悪魔の力に耐性があるため林檎の効きが不十分の可能性が高い。
 

「そうなると、耐性のない一般人の彼女が食べるのが適任でしょ?」
「消去法で役をきめたどこが適任ですか。」
「効きが不十分で夢に入れないかどうか、私や有栖で試してからでも遅くないと思うが?」
 

静間君に加勢するようにしとりさんが話に加わる。悪魔さんはうーんとうなりながら言葉をつづける。
 

「別に消去法だけじゃないんだよ?精神干渉ってね縁があればあるほど容易になる。リスクも減る。天使さんと一番付き合いがある人間って誰かな?」
 

悪魔さんの質問にしとりさんも静間君も押し黙る。わざわざ質問しなくとも答えなんか彼はとっくにしっているのだろう。細められた赤眼は答えである私をずっと見ている。
 

 
答えにくい質問なのがわかるから自分で答える。
 

「私ですね」
「駄目です」
 

私の答えを打ち消すかのようにかぶさった声は静間君のものだった。先ほどからずっと私を背にして悪魔さんの前に立ちはだかってくれている静間君の顔はわからない。怒っているし、泣いているような気もする。
 

「あなたがたとえ適任だとしても、こんな目的も素性もしれない悪魔からの林檎を食べさせ夢の中に入るのを見過ごしたら、それで何かあったら、それこそ僕は兄さんに顔向けできない。」
 

一呼吸おいて静間君が続ける。
 

「どうせあなたのことです。兄さんのことも自分のせいだと、だから自己犠牲も当然と思っているんでしょう?おこがましいにもほどがある。」
 

・・・ああ
 

「天使の問題にただの人間ができることなんてないんですよ。」
 

本当に似ている
 

「むしろくだらない自己犠牲なんかで仕事を増やさないでください。」
 

意地っ張りで、一方的で
 

「兄さんのことは俺たちでなんとでもできます。」
 

一生懸命守ろうとしてくれている
 

「だから」
「静間君」
 

前ならきっと、選ぶことすらできなかっただろう。彼の言葉に甘えて待っていただろう。けど今は違う。
 

「私が行きます。」
 

私だって取り戻したい。決して自己犠牲じゃない、負い目でも後悔でもない、私が望んだ一つの願いだ。
 

静間君は振り返らない。言葉も返さない。
少しの間が空いた後ただ静かに俯いた。それが彼ができる精一杯の承諾の証だと分かった。
 

「・・・ありがとう」
「何かあったら許さない。」
 

小さく聞こえた声は間違いなく私と、彼がずっと眼を離さずにいた赤い悪魔にむけての言葉だった。
 

親ばかです。 黒好き同盟 オリキャラclub!同盟

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