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塗り絵コンテスト 2017
お絵かき掲示板Art.net塗り絵コンテスト2017【参加塗り絵一覧】 > 「或る一族の記録」日下京一さん

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日下京一さん 或る一族の記録

イラスト「或る一族の記録」

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1864年10月6日 74歳の老人の証言
奥の屋敷に住む一族には、因習があるという。その一族はこの一帯の森を守る役割を持っている。

1864年12月28日 40歳の男性の証言
聖夜祭のために樅の木を切り出す時に、森に入る前に祈る慣習があるのだという。
この村では窓辺に必ず薔薇を模した飾りをして聖夜を過ごす。

1864年12月28日 6歳の少女の証言
父親と樅を切りに行った時、綺麗な少女と遊んだという。
領主とよく似た少女だったようだ。

1865年5月24日 63歳の墓守の証言
領主の一族の墓には、幾つか空のものがあるという。その墓石にはいつも花が供えられているそうだ。

1866年8月14日 21歳の庭師の証言
領主の庭には温室があり、絶えず薔薇が咲くという。その薔薇の殆どは墓石に手向けられるという。

1887年4月17日 戦争が始まった。XX村の調査は一時中断する。

1898年2月25日 86歳の老人の証言
領主の家系図には幾つか欠けがあるという。一番新しいものは現当主の隣の空欄らしい。

1901年11月26日 75歳の領主の世話係の証言
先日、馬で森の巡察をした際に、雪の中で花を咲かせる薔薇を見たという。
あまりに寒かったために幻想かもしれないようだ。

1902年3月3日 86歳の産婆の証言
現当主には確かに妹がおり、10歳頃までよく邸内で見かけたという。
「領主様のお家はたまにお病気で若くして亡くなる子もいるようだから」と産婆は教えてくれた。

1902年8月30日 78歳の領主の証言
当人は病気のために臥せているが、面会が叶った。
「妹は生きている」と譫言のように教えてくれた。
「朝露が輝く、夜と朝のちょうど縫い目の頃に、妹もそのまた先の方々にも会うことができる」
「宵闇の縫い目に一度囚われると、永遠に閉じ込められる。そうしてこの土地は護られてきたのだ」
熱の中、夢うつつの言葉であった。

1902年9月5日 領主が言っていた明け方近くの森に行ってみたが、朝靄ばかりで人影はない。

1902年9月18日 領主が亡くなった。跡をその息子が継いだ。

1902年9月21日 森の薔薇が一斉に咲いているのをみた。

1902年10月11日 64歳の記者の証言
「あの日、俺は森の斜面から落ちたはずなんだ。けれども無かったはずの薔薇の茂みに落ちて気を失った。」
「次に気がついたら、沢の草むらに寝ていた。落ちた斜面の真下だ。擦り傷は沢山あったが俺は殆ど無傷だった」
「覚えていることがあるんだ。深緑のドレスに蜂蜜色の髪の少女が、確かに俺を介抱してくれていたんだ」

--------以降の記録はひとつもない。

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お久しぶりです。絵を描くこと自体も久しぶりで、とてもどきどきしました。
今回は、線画を水彩紙にプリントして、水彩絵の具で着彩+PCで処理してみました。幾つか薔薇を描き足させて頂きました。
久しぶりすぎてマスキングが上手くできず、マスキング液はひと瓶固まっているし、絵の具は中身が出てこなかったりと猛烈に切なくなりました。最後の最後まで薔薇の色を赤と青とで迷っていましたが、少女のなんとも言えない表情を見つめながら色を着けているうちに、不思議な青い薔薇になりました。
mashuさん、素晴らしい線画を本当にありがとうございました。

No. 005113
塗り絵: 日下京一さん
線画: mashuさん

No. 005113 [編集|個別集計]
1600 x 800 (2950 kb)/up+up+up+up+up+ShiPainter/Q: 2017年10月10日(火)
線画: mashu さん

mashuさん

日下さん、こんばんは。お久しぶりです!
サムネイルで既に艶やかで美しいイラストなのが見て取れましたが、原寸大を拝見してその鮮やかな色彩に魅了されました。
菫色の瞳と神秘的な青の薔薇の取り合わせが物凄く美しい作品ですね。青のバリエーションが豊富でより一層神秘さを感じました。
彩度高めなので薔薇の葉も生命力を感じますし、朽ち果てそうな葉との対比が物語を感じられて素敵だと思いました。
自分も割と彩度高めな色をチョイスする事が多いですが、ここまで発色良く綺麗な色はなかなか出せないです。薔薇の色を迷ったと仰ってますが、色によって物語も多少変わって来そうですね。
朝露と少女の涙が凄く綺麗で絵に余韻を与えてるのも凄いなぁと思いました。やりすぎない美しさがカッコいいです!

こちらのイラストに素敵な物語を加えて下さってありがとうございます!まさかここまで綿密にお話をつくって下さるとは思いもせず感動してしまいました。 
証言で物語が進行していく構成や徐々に明かされていく工程が絶妙で、イラストだけではなく文才も長けていらっしゃって、改めて凄いなぁと思いました。
物語では40年近く調査されていて、記者の方の根気強さ、想いの強さにとても惹かれました。この不思議な出来事がこの方の一生を左右されているのだなぁ・・・と。
今日は物語最後の記録と同じ日なんですね。先ほどまでこの少女の髪と同じ、蜂蜜色の美しいお月様を眺めていました。
自分は文才もなく、解読力に乏しいので、文章から読み取れていない部分がありそうで不安ですが、自分なりに考察してみました。
宵闇の縫い目に捕らわれた美しい少女のイラストをありがとうございました。文章を含めて大作に感動しました。

追記ですが、自分ならこの葉っぱ地獄な線画を水彩絵の具で着色する気にはなれないと思うで、その点でも尊敬してしまいました。

もし宜しければ、こちらのイラストと文章を自サイトに転載させて頂けないでしょうか?図々しくてすみません><;
ご検討して頂けると大変嬉しいです。どうぞ宜しくお願いします<(_ _*)>

2017年10月11日(水) [No.005113-1 - 編集]
ビビさん

奥行きのある神秘的なそしてすきっとした色使いに魅入らせていただきながら、物語をン!んん?んんんと各々の証言を拝読させていただきました^^じっくり考えさせていただきます^^
まずはコメントを魅力的な素敵な塗り眼福です^^ありがとうございましたv

2017年10月14日(土) [No.005113-2 - 編集]
日野 紅史朗さん

日下京一様お久しぶりですvv青から紫そして白へのグラデーションがとてもハイセンスで綺麗です〜。この色遣い日下様ならではですよね!落ち着いていてシックな色みながらビビットな鮮やかさもあってすごく印象的で好きなんです。この鮮やかさはPC着色かな〜と思ったらまさかベースは水彩塗りとは!
イラストに添えられた物語がまた幻想的で想像をかきたてられます。
久しぶりに日下様の素敵イラストを拝見できて嬉しいですヽ(´▽`)/

2017年10月14日(土) [No.005113-3 - 編集]

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日下京一さんの塗り絵「或る一族の記録」にコメント

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