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塗り絵メイキング vol.10

私の塗り方 桂月玲さんの場合
線画提供 自分の線画を使いました。

画材:お絵かき掲示板しぃペインターSTD / 制作日:2007年4月24日

塗り絵完成図 線画

チキン絵師からごあいさつ

 今回は、『厚塗り風塗り絵を描こう!』というわけで、私の厚塗り風彩色を紹介させていただきます。
あくまで厚塗り『風』です。何方かの参考になれば幸いです。
それと、傾向としてはアナログ油彩や水彩に近いです。工程数はかなり上がります。
 
 ちなみに、今回の線画は塗り絵板に投下する前の、少々荒い物を使っています。
また、順番は多少前後しています。ご了承いただければ……本人も意識して塗っているわけではないので……。
 
 ※注意※
 この方法を試してみる場合、線画を消す塗りでもOKと明記されている線画を選んでください。
原型は残りますが、かなり消えます。

とりあえず、塗る前に。

 今回は、自分の線画を使いました。
線画を綺麗に仕上げるのはなかなか難しいですし、根気も必要だと思います……。

今回使ったのはペン線画です。
鉛筆線画を使われる場合には、暈かし四角で一度暈かしておくと、塗りと馴染みやすいと思います。
暈し+四角■

 他の絵師さん方と同様、私も水彩とスポイトでグラデーションを塗るタイプです。
ちょっと荒い感じもしますが、細かいところまで操作ができて私は好きです。

水彩   キャンバスから右クリックで色を拾うスポイト

    
アルファ値変更バー  水彩  A値を変更した水彩のサンプル

 A値の変更した水彩のサンプルも作ってみました。
デフォルトはA値180です。簡単に言うと、絵の具の濃さですね。
鉛筆はA値の差がかなりハッキリ出ますが、好みの問題で私は水彩を使っています。
柔らかい印象になるから……多分。

塗り絵工程1〜下地を塗る。


線画レイヤーを結合させて、便宜上、各レイヤーに名前を付けました。(普段は名前付けません。バグが怖いから(笑) 

 
 さて。まずは好きな色を一色選びましょう。
それを水彩の塗りつぶしで一度レイヤー1に流し込みます!
水彩+塗り潰し  [色レイヤー]を下地用の[水彩A180]で[塗り潰し]
これが全体の色調を整える『下塗り』となります。
 
今回はデフォルトパレットのピンクで行くことにしました。
黄色系・ピンク系・萌えピンクパレットが下地には使い易いようです(肌馴染みが良いんですね、きっと)。
勿論寒色系も使えますが、なかなか難しいです。

ダイナミックパレット デフォルトパレット  人物画 下地は暖色系

 塗りつぶしましたが、A値が180と低いので、レイヤー0に書いた文字も見えます。
 
 この色レイヤーの上から直接色を塗っていきます。あまり不安に思わずに付いてきていただけると……嬉しいです。


 

レイヤー  着色は下地色で塗り潰した[色レイヤー(レイヤー1)]で行います.

サンプルB〜「え、これこの先どうなるの!?と思った方へ」

1枚目からオレンジベース、ピンクベース(確か肌のみ(^^;)、紺ベースです。
一枚絵で見ると肌色に見えますが、厳密には肌色じゃない色になっているのが分かると思います。最終的にはこうなる予定なのでご安心を!

下地の違いをサンプルで見比べる
オレンジベース
ピンクベース
紺ベース

塗り絵工程2〜色を塗ろう。

ツールバー状態

 肌の色を塗っていきます。
と言うか一気に塗り進めていきます。
 全部A値低め(A値100くらい)の水彩3〜5pxです。
大体、一番明るい色(ハイライト)→基本色→影の色(シャドウ)の順です。薄めに塗って、右クリックで色を拾って、下地の色を生かします。

 バグが起きやすいので暈かしは使わず、右クリックでグラデーションを作って滑らかにしていきます(バグの影響を差し引いても、キレのあるグラデーションが出来るので右クリックの手塗りグラデーションをおすすめしています)。

カラーピッカー

 ハイライトやシャドウを塗るとき、カラーピッカーから色を取ると、カラーパレットから取るより馴染みの良い色が出来ます。左斜め上(暗い)から右斜め下(明るい)に取っていきましょう。

思ったより濃いめに付けていくのがコツだと思います。
後で線画を消したとき、明るい色が浮き立つように、色のバランスを考えて塗っていきます。

 ついでに白目や口の中も塗ってしまいます。
眼球は球体であることと、睫毛の影を意識して、上下に影を付けます。
 水彩で塗った時点で馴染んでしまうので、黒や白を塗っても軽くベース色っぽいグレーのかかった色味になります。
RGBしか知らない私は、全てこれで済ませてしまいます。

 パーツごとのレイヤー分けはしません。
元になる色から塗っていくので、はみ出しても修正が可能なんです。
 
漢らしくガッツリと!デジタル万歳!(違うから)


塗り絵工程

塗り絵工程3〜この方針で行こう。

基本的な色を塗り終わりました。(仮置きを兼ねましたが、今回はこれでいくことに決定。)
もし塗った色が気に入らなければ、下地の色を上から塗りつぶせばいいわけです。
大体、下から塗っていけばあまり間違いはないです。アナログの透明水彩と同じ。
 
 腕のあたりに色がはみ出ちゃっているの、分かるでしょうか?この位なら修正できます。キャミソールの紐部分も然り。気にせずザクザク行きましょう。
レイヤー
 全て色レイヤーに塗っています。白い服にも少しピンクが残っているのが分かるでしょうか? 白には青の影を付けるのが定石ですが、ベースの色と混ざることで、グレーがかった紫になっています。


 緑色のキャミソールも、青で影を入れました。ハイライトはカラーピッカーで取った白っぽい緑、シャドウは青の勝った青緑ですが、全体がうっすらピンクがかっているので、色合いが柔らかく見えます。
 服の影は線画のシワを元に、自分の服や家族の服を見て付けていきます。シワを多く描くと柔らかい素材に見えますし、胸元や肩口の曲線を意識して付けると女性っぽくなります。ちょっと間違ってますので、後で直していきます。
 
 髪の色も置いていますが、この時点で艶を意識しておくと次に移りやすいです。
髪のハイライトは下地と馴染ませた色味を生かすことにしました。髪を染めてパーマかけた子のイメージ。ちょっと痛んでいるくらいで。単純に白を置いてしまうと面白味がないかなーと思うので、ちょっと冒険します(講座ですしね)。

塗り絵工程4-1 瞳の塗り。

気持ち悪いと言われても致し方ないかも……な瞳の塗り方。気持ち悪いと思わず付き合ってくださいませ。
瞳孔が目の黒い部分、虹彩(こうさい)が目の色の付いている部分と解釈してください。

 1枚目。
基本色です。虹彩のベースの色と瞳孔の色、そして影の色が塗ってあります。水彩です。
水彩


 2枚目。
瞳孔と縁により黒い色、彩度を上げた色を虹彩に塗りました。枠をペンツール0pxで取って、水彩で塗りつぶしています。色の際に特に明るい色を入れることで、気分的に色がぐっと前に出てきます。意志の力も増してきます。
ペン  水彩  ( 0px = 1番細いペン )


 3枚目。
ペンツールで、虹彩部分に更に明るい色、瞳孔と同じくらい暗い色を線でひいていきます。ペンツール・水彩ツール共に0pxです。瞳の中心点を定めて、対角線を引くような気持ちです。
ギラギラしすぎて見えるので気持ち悪いです。
ペン  水彩 


 4枚目。
水彩1pxくらいで瞳孔の中を整えました。1枚目に比べて、生気が出てきたのが分かると思います。
水彩

 青い瞳の知り合いも茶色い瞳の知り合いもいますが、虹彩の色はベースカラーに黒が入っていたり、茶に黒の色素沈着の模様があったりします。瞳孔は例外なく黒です。ファンタジー要素やリアル要素を求めるときには、その辺を応用してみると良いかもしれません。


塗り絵工程4-2〜髪の塗り、服の影。

カラーピッカー

というわけで、髪の塗り方です。
まず、色を濃くします。このままだと服の色に負ける〜と思いつつ。カラーピッカーの左斜め上の色味を使います。

 つむじから、髪のひとかたまりの光と影を付けていきます。
この場合髪にウェーブがかかっているので、シャドウとハイライトをきつめに出した方がよい……と思います。
 ハイライトはカラーピッカー右斜め下の色を使います。覆い焼きや焼き込みを使わなくても、自然な光が表現できます。
また、下塗りの段階で髪のハイライトに気を遣っているので、場所も色も分かり易く残っています。
 これで髪の基本塗りは終了。髪の一番濃い色で、睫毛(まつげ)も塗っておきます。


 服のシワも描き直しました。服と一体化しているリボンにも、勿論服のシワの影響が出ます。
一部線画のシワが間違っているところは無視します(−−;
キャミソールの花の部分はビーズ付きのレースにしよう!と思ったので、線画結合まで手を出しません。

塗り絵工程5〜線画を結合して、人物を仕上げよう。

線画を色レイヤーと結合し、『人物』と名前を付けました。
下地色のピンクを消して、人物だけのレイヤーにします。
背景も描きやすくなりました( ̄ー ̄)
線画レイヤーと色レイヤーを結合線画レイヤーと色レイヤーを結合2

主線の調整

首筋、鼻、髪、服と、その部位のシャドウの色の水彩1pxでなぞって暈かしていきます。特に境界線とシワの線を消すことを重視して。
特に服の部分が分かり易いと思うんですけど……どうでしょう。上の絵と見比べてみてください。。
ハイライトも、今度は白に近い色で入れ直します。
これで厚塗り風になってきました。

水彩 ペン     水彩で暈す

主線調整前   主線調整後


 髪も仕上げ段階に入ります。艶を水彩1〜2pxでハッキリ入れた後、上から髪の色を塗って自然に暈かし暈かし。ペン0pxで乱れ髪を書きます。乱れ髪とハイライトの効果で生き生きしてきます。
睫毛も書き足します。明るい色も入れると、存在感が出ます。
潰れてしまうので、眉も描きます。髪の一番濃い色を使います。
 肌の輪郭線も暈かします(水彩1px)。特に首筋・鼻・下唇。立体感が増します。

 キャミソールのビーズ部分に、適当な色(赤とか青とか黄色とか、水彩)を入れて、ペンツール0px白で縁取りなおします。こちらもキラキラした感じになっていきます。

塗り絵工程6〜アドリブで小物とか書き足してみる。

 線画板の線画には花びらを入れていましたが、ちょっと色々書き足してみようと思いました。
 
 絵全体を見渡してみると、赤みと青みはハッキリ出ているのですが、黄色みが足りなく感じまして、黄色いチョウチョを止まらせ、躍動感がもうちょっと欲しかったので、黄色いリボンを書き足してみました。
 レイヤー2が空いているので、そこに蝶を描き込み人物レイヤーに結合、リボンを描き込んで同じく結合してみました。リボンは人物の前に出てくるので、水彩で大枠を書いたあと、白で主線を入れています。人物奥のリボンより手前を強調します。
 
 絵の中に各色の反対色が丁度良い分量で収まっていると、きつく見えないらしいです。総合的にグレーに感じるからだそうです。


塗り絵工程7〜背景

 人物レイヤーを一旦不可視にして、背景を描いていきます。
 レイヤー0を背景レイヤーにしましょう。
背景レイヤー
まず水彩で荒いグラデーションを作って、A値を下げた水彩で滑らかにしていきます。今回は青〜白のグラデーションにしてみました。青すぎたので、下の方に暗めの緑を入れておきます。
 水彩ペン
 レイヤー0に雲を描き込んでいきます。
水彩白6〜2PxのA値低めで、外側をぼんやり描き込み、A値を上げて細かいところを描き込んでいきます。ペン0〜1pxで、ハッキリさせたいところの輪郭をとったりもします。雲の底になるところにA値低めで黄色やピンク色を入れて、雲が薄いところには周囲からスポイトした水色を入れて、変化を付けていきます。時々人物レイヤーを50%くらいまであげて、見えるところを中心に描き込んでいきます。


塗り絵工程8〜メイクをしてあげよう。

メイクは好みがありますが……折角女の子を描いたので、施してみようと思います。

レイヤー

レイヤー2が(から)であることを確認します(もしくは人物上に新規レイヤーを作ります)。
エアブラシ 水彩

頬に赤系エアブラシで赤みを足します。好みで反射光を入れてください。
唇に口紅を塗ります。赤系とピンク系をエアブラシと水彩で塗っていきます。立体感を出すため、唇の中心に一番彩度の高い色、外側と口の中に彩度の低い色を入れます。
一番高さのあるところにリップグロスの反射光をペンで入れ、水彩で暈かしを入れます。
爪を塗ります。ペンツールで形をとって、水彩で塗りつぶし、反射光を入れます。
 
瞳に光を入れます。
水彩で白を入れ、薄消しで形を整えます。


その後、A値を下げた消しゴムで数クリックして、透明度を上げます。
下に描き込みした虹彩(こうさい)の色が生きます。

終わったらレイヤーを結合します。
この作業だけ別レイヤーでやるのは、微調整を重ねるためです。
拡大しながら調整を重ねていきますが、密かにやり甲斐があります(^^

塗り絵工程9〜やっと仕上げだ!

やっと仕上げの段階です!ここまで来ればあと一息です!
 
 背景が暗いな、と感じたので、下の緑を入れたところに覆い焼きをかけます。また、雲にも少しかけて、明るさを増していきます。
 キャミソールのビーズ部分にも軽くかけて、光らせます。
 化粧も馴染ませます。少々ケバい印象だったので、周囲の色を拾って、水彩で暈かして薄めにして自然な感じにします。リボンの影を入れるのをすっかり忘れていましたので、今更ながら描き込みます(^^;
 レイヤー2の透明度を50%くらいに調整、下地の色をエアブラシで軽く服にかけ、冷たい印象を和らげます。
 
 個人的に、色味の残る影色を好むので、乗算で影を付けたりはしません。まだ乗算の性質がちゃんと分かっていないのもあります(^^;
 
 覆い焼きをこの段階まで使わなかったのには、動画破損とバグの危険性を気にしたからです。元々工程数が多いので、バグの頻度が上がる焼き系・暈かしツールは最後までとっておきます。使うことを控えることで味が出ると言うこともありますし、修行のつもりでこういう方針をとっています。


レイヤー
水彩 覆い焼き エアブラシ

あとがき

ここまで読んでいただいてありがとうございました! 長かったと思います……お疲れ様でした。
とりあえず、今私がかけることは全て描いたような気がします。
厚塗りって、工程数は増えてペン先は摩耗しますが、描いただけの成果は出てきます。
それと……「乗算とか減算とか良く解らなくても、厚塗りっぽいことは出来そうだ!」くらいのことを主張してみようかなーとか……(苦笑)。
 
私もまだ修行中ですが、このメイキングがちょっとでも役に立てばいいかな?と思います。

作画アニメーション

この線画を塗り絵掲示板で塗ってみる

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この塗り絵メイキングは役立ちましたか?  CTぱちぱち。

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