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塗り絵コンテスト2017 塗り絵部門 No.005113

或る一族の記録

塗り絵:日下京一さん / 線画:mashuさん

イラスト

1600 x 800 (2950 kb)/up+up+up+up+up+ShiPainter/Q:
2017年08月19日(土) - 2017年10月10日(火)

1864年10月6日 74歳の老人の証言
奥の屋敷に住む一族には、因習があるという。その一族はこの一帯の森を守る役割を持っている。

1864年12月28日 40歳の男性の証言
聖夜祭のために樅の木を切り出す時に、森に入る前に祈る慣習があるのだという。
この村では窓辺に必ず薔薇を模した飾りをして聖夜を過ごす。

1864年12月28日 6歳の少女の証言
父親と樅を切りに行った時、綺麗な少女と遊んだという。
領主とよく似た少女だったようだ。

1865年5月24日 63歳の墓守の証言
領主の一族の墓には、幾つか空のものがあるという。その墓石にはいつも花が供えられているそうだ。

1866年8月14日 21歳の庭師の証言
領主の庭には温室があり、絶えず薔薇が咲くという。その薔薇の殆どは墓石に手向けられるという。

1887年4月17日 戦争が始まった。XX村の調査は一時中断する。

1898年2月25日 86歳の老人の証言
領主の家系図には幾つか欠けがあるという。一番新しいものは現当主の隣の空欄らしい。

1901年11月26日 75歳の領主の世話係の証言
先日、馬で森の巡察をした際に、雪の中で花を咲かせる薔薇を見たという。
あまりに寒かったために幻想かもしれないようだ。

1902年3月3日 86歳の産婆の証言
現当主には確かに妹がおり、10歳頃までよく邸内で見かけたという。
「領主様のお家はたまにお病気で若くして亡くなる子もいるようだから」と産婆は教えてくれた。

1902年8月30日 78歳の領主の証言
当人は病気のために臥せているが、面会が叶った。
「妹は生きている」と譫言のように教えてくれた。
「朝露が輝く、夜と朝のちょうど縫い目の頃に、妹もそのまた先の方々にも会うことができる」
「宵闇の縫い目に一度囚われると、永遠に閉じ込められる。そうしてこの土地は護られてきたのだ」
熱の中、夢うつつの言葉であった。

1902年9月5日 領主が言っていた明け方近くの森に行ってみたが、朝靄ばかりで人影はない。

1902年9月18日 領主が亡くなった。跡をその息子が継いだ。

1902年9月21日 森の薔薇が一斉に咲いているのをみた。

1902年10月11日 64歳の記者の証言
「あの日、俺は森の斜面から落ちたはずなんだ。けれども無かったはずの薔薇の茂みに落ちて気を失った。」
「次に気がついたら、沢の草むらに寝ていた。落ちた斜面の真下だ。擦り傷は沢山あったが俺は殆ど無傷だった」
「覚えていることがあるんだ。深緑のドレスに蜂蜜色の髪の少女が、確かに俺を介抱してくれていたんだ」

--------以降の記録はひとつもない。

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お久しぶりです。絵を描くこと自体も久しぶりで、とてもどきどきしました。
今回は、線画を水彩紙にプリントして、水彩絵の具で着彩+PCで処理してみました。幾つか薔薇を描き足させて頂きました。
久しぶりすぎてマスキングが上手くできず、マスキング液はひと瓶固まっているし、絵の具は中身が出てこなかったりと猛烈に切なくなりました。最後の最後まで薔薇の色を赤と青とで迷っていましたが、少女のなんとも言えない表情を見つめながら色を着けているうちに、不思議な青い薔薇になりました。
mashuさん、素晴らしい線画を本当にありがとうございました。


日下さん、こんばんは。お久しぶりです!
サムネイルで既に艶やかで美しいイラストなのが見て取れましたが、原寸大を拝見してその鮮やかな色彩に魅了されました。
菫色の瞳と神秘的な青の薔薇の取り合わせが物凄く美しい作品ですね。青のバリエーションが豊富でより一層神秘さを感じました。
彩度高めなので薔薇の葉も生命力を感じますし、朽ち果てそうな葉との対比が物語を感じられて素敵だと思いました。
自分も割と彩度高めな色をチョイスする事が多いですが、ここまで発色良く綺麗な色はなかなか出せないです。薔薇の色を迷ったと仰ってますが、色によって物語も多少変わって来そうですね。
朝露と少女の涙が凄く綺麗で絵に余韻を与えてるのも凄いなぁと思いました。やりすぎない美しさがカッコいいです!

こちらのイラストに素敵な物語を加えて下さってありがとうございます!まさかここまで綿密にお話をつくって下さるとは思いもせず感動してしまいました。 
証言で物語が進行していく構成や徐々に明かされていく工程が絶妙で、イラストだけではなく文才も長けていらっしゃって、改めて凄いなぁと思いました。
物語では40年近く調査されていて、記者の方の根気強さ、想いの強さにとても惹かれました。この不思議な出来事がこの方の一生を左右されているのだなぁ・・・と。
今日は物語最後の記録と同じ日なんですね。先ほどまでこの少女の髪と同じ、蜂蜜色の美しいお月様を眺めていました。
自分は文才もなく、解読力に乏しいので、文章から読み取れていない部分がありそうで不安ですが、自分なりに考察してみました。
宵闇の縫い目に捕らわれた美しい少女のイラストをありがとうございました。文章を含めて大作に感動しました。

追記ですが、自分ならこの葉っぱ地獄な線画を水彩絵の具で着色する気にはなれないと思うで、その点でも尊敬してしまいました。

もし宜しければ、こちらのイラストと文章を自サイトに転載させて頂けないでしょうか?図々しくてすみません><;
ご検討して頂けると大変嬉しいです。どうぞ宜しくお願いします<(_ _*)>

mashuさん(2017年10月11日(水) - )

奥行きのある神秘的なそしてすきっとした色使いに魅入らせていただきながら、物語をン!んん?んんんと各々の証言を拝読させていただきました^^じっくり考えさせていただきます^^
まずはコメントを魅力的な素敵な塗り眼福です^^ありがとうございましたv

ビビさん(2017年10月14日(土) - )

日下京一様お久しぶりですvv青から紫そして白へのグラデーションがとてもハイセンスで綺麗です〜。この色遣い日下様ならではですよね!落ち着いていてシックな色みながらビビットな鮮やかさもあってすごく印象的で好きなんです。この鮮やかさはPC着色かな〜と思ったらまさかベースは水彩塗りとは!
イラストに添えられた物語がまた幻想的で想像をかきたてられます。
久しぶりに日下様の素敵イラストを拝見できて嬉しいですヽ(´▽`)/

日野 紅史朗さん(2017年10月14日(土) - )

色鮮やかで本当綺麗!!
ストレートに感想が出てくるほどに本当に鮮やかな色彩に釘付けです。
配色も自分ではとても思いつかないような物に思いつかない色を置いていたり
すごく自由な感じがして見ていてワクワクしました。
それでいて全体の配色バランスがとても綺麗でなんかもう色々と高次元だなーと思いました!凄い(>_<;
添えられた文章を読んだ後に見る絵はまた違った印象を与えてくれて考えさせられる所もあり二度美味しいです。

ミミニャ〜さん(2017年10月19日(木) - )

日下さん、こんにちは。
一際、艶やかで目を引く作品に釘付けになりました////
鮮やかな青色と緑色、どうやったらこんなに綺麗に塗れるの?と思ったら、何とアナログで塗られたんですね!
滲み具合といい混ざり具合が絶妙で、これはPCでは出せない味わいと艶やかさですね///
深みのあるロイヤルブルーが物語の神秘性と合っていて綺麗ですねv
思わず自分も水彩やカラーインクをひっぱりだして塗りたくなりました^^(マスキングはもう使えないだろうなぁ〜;;パステルぐらいなら大丈夫かな^^;)
一つの線画でここまで深く物語を想像できる日下さんが羨ましい……楽しく文章の方も読ませて頂きました!
素晴らしい作品をありがとうございました!

heketoさん(2017年10月20日(金) - )

ランダムであり造形をなす色彩がとても綺麗で素晴らしいです*´`*
徐々に少女の存在に近づいていく物語にどんどん引き込まれて、
一際美しい緑の衣装と赤みが混じった艶やかな金髪から
おぼろげな中で鮮明に残る彼の記憶の欠片の場面を今拝見しているんだと知って、更に惹き込まれました…!

ラングさん(2017年10月21日(土) - )

久しぶりに投稿ができたこと、コメントをいただけたこと、Cookieに忘れられていなかったこと、コメントに感謝の気持ちをお返しできる事をとても嬉しく思います。
たくさんの作品を拝見していて、一枚の絵に物語を込めることができる方々はすごいなぁと思います。絵に物語をつけてしまうと、ご覧になって頂ける方の解釈や想像して頂ける機会を狭めてしまうのではないかと思ってしまうことが多々あります。それでも、この線画から湧き上がった1つの作品として拙いながらも併記させていただいております。
不快に思われる方や余剰だと思われる方もいっらしゃるかと思います。文章は抜きにしてもお楽しみ頂ける作品をいつか描けるようになりたい、と思いつつもやっぱり絵を描くことも、文章を書くことも大好きで原点でもあるのでどちらも続けていくことになるのだろうなぁと思っています。

>mashuさん
コメントありがとうございます。
水彩のきらきらしたにじみや、色の鮮やかさに久しぶりに触れることができて本当に楽しかったです。貴重な機会をいただけたこと、この線画に出会うことができたことに感謝いたします。本当にありがとうございました。
大好きで何本も買いためた色々な色のブルーをずっと閉じてあったパレットに出した瞬間、気持ちがすっとしたのと同時に、とても懐かしいような、楽しい気持ちに虜になりました。葉っぱもオリーブグリーンに赤を乗せた瞬間のなんとも言えない錆色も楽しくて仕方がなかったです。
悩みに悩んで青を差させて頂いた時に、不思議で少し悲しいおとぎ話のようなお話をつけさせていただこうと思い、創らせていただきました。物語とは違って、文章で長く長く書くことが出来なかったのでその中に物語の断片を入れるのが難しくもあり、面白くもありました。
mashuさんのサイトに載せていただくことは恐れ多くもありますが、文章とともにお持ち帰り頂ければと思います。
また、悩みに悩んだ赤バージョンもプロフィールの2枚目の方に載せさせていただきました。こちらは完成前の状態のものをPCで色を加工したものになりますので、投稿した青バージョンより仕上がりがやや荒くなっております。(また、こちらは口元を笑みにさせて頂いております)また、赤バージョンの物語も紹介文上部に(少しダークというかホラーなのですが)記載させていただきました。そちらもよろしければお持ち帰りください。
この度は、本当に素敵な線画をありがとうございました。

>ビビさん
大好きなブルーをたくさん支えてとても楽しかったです。
文章も合わせてお楽しみ頂ければ嬉しいです。あえて曖昧なおとぎ話調にしてありますので、色々と解釈いただければと思います。自分の拙い文章ではありますが、ビビさんを唸らせるようなものが書けていたのならば、ちょっと嬉しくもあります。
コメントありがとうございました。

>日野 紅史朗さん
大変お久しぶりです。
暗い群青に青がこんなに映えるとは、と水彩の原点に帰ったような、とても貴重で懐かしい経験をさせて頂きました。もう何年も戸棚に閉まって忘れてしまったものの素晴らしさを再発見して、ペンタブを握る時と違った筆の感触に感動しました。しばらくPC塗りに帰って来れなくなってしまいそうです。
おそろしや、水彩沼・・・・・!
ストーリーを考える癖はあまり良くないとは思っているのですが、ストーリーやキャラクターについて考えることがモチベーションに直結していることがままあるので止めようにも止めれない癖でして・・・拙い文章ではありますが、誰か一人でも楽しんでもらえるような文章を書けていれば嬉しいな、と思います。
コメントありがとうございました!

>ミミニャ〜さん
運営お疲れ様です。
本当に絵を描く機会を頂けて有難いです。
水彩の一発書きの感覚は本当にどきどきします。二度と同じ色合いは再現できないのに、たった一色、一筆で台無しになってしまうので完成が近くなるにつれて動悸が止まりませんでした・・・!
PCならば「戻る」があるので軽い気持ちで塗れますが、水彩では一色一色の緊張感がものすごく、もう緊張や動悸を通り越して愛しくなってしまうというミラクルを経験することができました。
線画という素晴らしいベースがあってこその経験と、そこからの文章の発想でしたので、とても貴重な機会を頂けたと思います。
コメントありがとうございました!

>heketoさん
こんにちは。
ずっと仕舞いっぱなしになっていたアナログ、水彩の素晴らしさを実感できる機会を頂くことができました。
独特のにじみと色のヌケは本当にPCでは味わうことが出来ない表現でしたので、とても懐かしくもあり、新鮮でもあり、何よりとても楽しかったです。
はじめは大好きだったカラーインクを出したのですが、半分以上茶色くなってしまって使用は断念いたしました。水彩がすごく楽しかったので、機会があればカラーインクをいくつか買い直してみたいなぁと思います。
絵に物語を込めることができる方々はすごいなぁと思います。絵に物語をつけてしまうと、ご覧になって頂ける方の解釈や想像して頂ける機会を狭めてしまうのではないかと思ってしまうことが多々あります。それでも、この線画から湧き上がった1つの作品として拙いながらも併記させていただいております。楽しんで頂けたのであれば、とても嬉しいです。
コメント、ありがとうございました!

日下京一さん(2017年10月21日(土) - )


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