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四方針守護士〜兵士と王女の物語〜【第二章】

11章 13頁 完結 「テキスト」

時の聖地、クロクラム国へとやってきたエマル。
一人目の持て成し相手、レ二―・アスレインとも打ち解け、エマルは次の守護士の元へ……次の相手は三時の守護士ジーク・ライド。
だが彼には、誰にも言えない大きな秘密があった……

作者. シロガマ さん


  連載No.000048 登録:2014/02/27 〜 更新:2014/03/02 (0 Res. ,)

第六話 『眼帯の男』



兵士達によって、再び連行されてしまったレ二−。おまけに体には魔法で作られた光の鎖が巻き付けられていた。
レ・「くっ! 僕とした事が、あんな二等魔術兵に取り押さえられるなんて!」
国王・「はははっ! うんうん、思った以上に利いたみたいだねあの罰は。大丈夫だよレ二―、禁術の件はもう話がついているから」
レ・「な、なんですって!?」 途端に彼は我に返った。
国王・「まぁ、君も上官である身だから、一応罰を与えさせてもらったよ。無罪じゃ兵士達に示しがつかないからね」
レ・「あれがお咎め? あ、あんな悪ふざけで終わりなんてどういう事ですか!?」
国王・「うん? ――まあ今回は特別だよ。第一の目的はあくまで彼女を楽しませる事だからね。――それに……」
ふと国王はエマルを見た。エマルもまた国王と目が合い、ニコッとうなずいた。
―――【彼女】のお願いじゃあしょうがないよね。
レ・「???」
「さてレ二―。問題も解決したところで、彼女を【彼】の元へ異空間の道で送ってくれるかい? 君にはもう少し別の事で聞きたい事があるからね」
レ・「はぁ、わ、かりました。―――――エマル、こちらへ」
私は王座からの階段を下り、レ二―君に笑いかけた。一方彼は気まずそうに目を背ける。
「えへへっ、昨日はどうなるかと思ったけど、すごく楽しかった。ありがとうレ二―君」
レ・「――二人して本当に悪趣味な。貴女と居ると精神面でも疲れてしまいますよ」
呟きながら背を向けると、レ二―君は指で空中に光の陣を描きだした。
レ・「さぁ、次の行き先は三時の塔……貴女の次のお相手は【三時の守護士】です」
「三時の守護士様かぁ………その方はどんな人なの?」
レ・「どの様な? ……そうですね。簡単に言うとかなりの大男。加えて眼帯をしていますのですぐに分かると思いますよ?」
「っ!!?」
彼のその言葉に私は過剰反応した。


【眼帯の大男】


レ・「性格は――……まぁ、会った方が早いでしょうね。――?――どうかしましたか?エマル】
「……レ二―君。その人って何歳の方なの?」
レ・「?――正確な歳は聞いた事はないですが,外見は三十前後でしょうね」
「三十……じゃあ、違うかな」
レ・「何がです?」
「あっ、ううん! なんでもない。じゃあ言ってきます!」
レ・「あっ、エマル!」
私はニッとレ二―君に笑いかけ、勢いよく光の門をくぐったのだった。

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―――エマルがいなくなり、閉じゆく光の門を見つめるレ二―。
レ・「全く、本当に疲れる人だ。――――――――まぁ、嫌な疲れではなかったですけど……」

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レ二―君達と別れ、次の目的地へ通じる異空間内で、私はレ二―君の言葉を思い返していた。
「眼帯をした大男……」
私は過去に、その二つ条件がそろっている人に会った事がある……いろいろな意味で私を救ってくれた人。いうなれば私の恩人。けど一つだけ条件がかみ合わない点があった。
その人に初めて会った時、私はまだ7歳くらい。その時の彼はすでに外見三十歳前後だった。――だとすれば、あれから少なくとも10数年はたっているのだから、本人は40歳以上じゃないと計算が合わない。
「もしかしたらなんて思ったけど、そんなはずない――――っ!!???」
がっかりしながら首を振った瞬間、異空間を浮いていた感が無くなり、いきなり落ちる感覚に襲われた。どうやら出口らしい、が。
「ちょっ、まってえぇぇぇぇ〜〜〜!!!」
エマルの体は異空間の出口へと落下して行くのだった。

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彼女が光と共に消え、国王とレ二―の二人となった謁見の間。レ二―は国王の方へ振り返ると、再び方膝をついた。
国王・「ふふっ、昨日は中々楽しかったみたいだね、レ二―?」
レ・「国王も人が悪いですよ。あんなっ――――――――いえ……ところで、僕に聞きたい事とは一体?」
その質問に国王は少しだけ真顔になった。
国王「その事なんだけど……レ二―。彼女と行動を共にした時、なにか変った事はなかったかい?」
レ・「変わった事ですか? そう、ですね……」
その質問にレ二―は少し考える仕草をした。
レ・「大した事ではないと思っていたのですが、彼女と林を歩いていた時に【視線】を感じました」
国王「視線?」
レ・「はい、ただ本当に一瞬の事で、その後さりげなく周囲の気配を探ってみたのですが、近くに人の気配はありませんでした。鳥か何かかと思っていたのですが」
レ二―の言葉に、今度は国王が「なるほど」と、考え始めてしまう。
レ・「国王? どうかなされたのですか?」
国王・「ううん――――今回は御苦労だったね」
と、国王はレ二―に笑って見せたのだった。

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「イタタタァ……」
落下状態で目的地に落されてしまったが、どうやら無事に建物内にたどり着けたようだ。
「いったぁい〜〜……んもうっ、レ二―君てば! もう少し出口の事を考えてようっ!」
レ二―君本人が居る訳でもなく、私は一人言として文句を言ったつもりだったのだけれど……


?・「―――――――同感だ」


「え!?」
文句に同意したその声は、私のすぐ上から聞こえた。私は反射的に上を振り向く。
?・「おう……」
「!?」
レ二―君の話通り、眼帯をしている男の人が呆れ顔で私を見下ろしている。どうやら私は彼の真上に落ちてしまったらしい。
「ご、ごめんなさ――――――っ!?」
彼の顔を認識した瞬間、私は驚きに目を見開いたのだった。     

 
〜つづく〜

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