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掌編 夕刻、作戦前

Artworks by. そと さん 2014年08月12日(火)

イラスト「掌編 夕刻、作戦前」

「将棋教わってさ、面白くって。あいつの教え方が上手いのもあんのかな。それにもう一人面白いやつがいるんだ!俺よりちっちゃいのにすげえジャンプ!今度烏丸も一緒に試合見に行かねえ?きっとびっくりすると思うな!」
「……そう」

奇妙な存在。積み上げた心の壁をやすやすと裸足で乗り越えてしまう。面倒だと、幾度となく無視を決め込んだり、皮肉を込めた返答で拒絶を表してきた。しかし彼は一向に気にする様子もなく、会うたび新しい話題を持っては話しかけてくる。

最近、彼は部隊外のある一年生と知り合いになったらしい。その一年生にはご愁傷様というほかない。きっと同じように話しかけられているのだろうから。ふと口元が緩みそうになり、妙な気持ちになる。

彼の話す一年生。以前生物教師と裏庭にいるのを見たことがある。赤毛のひょろっとした少年。……まつわる一つの噂。ふと、思う。それを知ってもなお、彼はあの一年生に心を寄せ続けることができるのだろうか、と。もし噂が真実だとして、戦場に身を置く私たちの誰もあの一年生を非難できはしない。行為は同じなのだから。それでも噂として語られたのは、それが幼い子供によるもので対象が……であるからなのだろう。特異性。己が生み出した罰から逃れるための、癒されるための贄。誰かを下に置いて安心したいという意志。私はそれが虚であろうと実であろうとどうでもいい。けれど……彼はどう受け取るだろう。話を続ける彼の横顔は純粋で素直な喜びと楽しさに満ちていた。初雪の原を汚すような、仄暗い好奇心が疼く。しかし、私は伝えなかった。伝えられなかったというのが正しいのかもしれない。かすかな逡巡。情が湧いたとでもいうのだろうか。彼がほかの道筋でそれを知ることを止める気はさらさらないのだけれど。

鐘が鳴る。もうすぐ時間だ。ふっと吐き出す息の重さに驚けば、ひどく感傷的な気持ちになっていた。今日の夕焼け空はなんて赤いのだろう。まるで昔、ずっと昔に見たのと同じ……幼かった日々のことを、思い出させるような。窓の向こう、夕日を背に黒い鳥が飛んでいく。家族の待つ、帰る、場所へ。

−−−

うゆさんの烏丸さん、毬屋さんの有栖くんをお借りしました!有栖くんと烏丸さんは正反対な性格だからこそ、お互い持っていない部分に惹かれることもあるかもしれないなと思っての妄想だったのですが、お二人共にちょっと自分の方に引き寄せすぎてしまった気がします。イメージと違いすぎてしまっていたらすみません。うゆさん、毬屋さん、素敵なお二人をありがとうございました!

>2014/08/12 追記
有栖くんの学年を間違っていた(×二年生○三年生)為、微修正しました。
毬屋さん、追記での優しいお言葉ありがとうございました……!(´∀`*)

500 x 500 (250 kb)/ShiPainter/Q:1 [お借りしました] [学生戦争]

烏丸さんとアリスくん!!
また新しい交流が描かれていてわくわくします^^
アリスくんの人懐っこさというか、懐の大きさが男前だと思います。
烏丸さんの拒絶も、彼女の個性として受け入れているのかな。
烏丸さんも裏表のないアリスくんに、最初諦めの様な感じで相槌を打っていたけれど、多少なりともアリスくんという存在を認識しているんだろうなぁと思いました。
認識したから、アリスくんが黒い感情に触れた時の様子を見たいのじゃないかな。
烏丸さんの繊細な感情が胸を突きます。
木造な校舎が夕日色に染まって、また寂しげで切ないです。

2014年05月28日(水) No.096103-1 - バドスさん

窓辺の描写や夕日にあたる背中がとても好きです。古びた木造校舎の雰囲気がたまらんdす//
学生戦争楽しそうです。

2014年05月28日(水) No.096103-2 - のかさん

以外な組み合わせですがありそうなのがそとさんの妄想力の素晴らしいところです(すごい誉め言葉)
黒軍の校舎やっぱ日本!という感じがしていいなぁと思いました。こんな校舎には夕暮れも似合いますねv
烏丸さんの思考がかっこいい…アリスくんの話からここまで膨らませられるのがスタイリッシュです。黒軍の皆さんの過去はどれもかっこいいのかと、詳しく知りたいですね(*´∇`*)

2014年05月28日(水) No.096103-3 - 菫さん

あああやっぱりそとさんの描かれるアリスがka wa i i ・・・!
しかも大好きな烏丸さんとコラボしていただいて嬉しすぎて昇天ですッふたりの表情の差が好きです。
アリスはどんな噂を聞こうと動揺こそすれ、透くんから心が離れていくなんてことはありえませぬッ飼い主と犬の信頼関係というのh(ry
アリスは一見漂白剤かけたような「現実味のない白い」印象を周囲に与えているのかもしれませんが、実際はもっとこう・・・白いんですけど「濁らない白さ」というか。案外どんな現実にも対応できちゃう子なんですよね^^(でもガッとまっすぐだから自分の納得いかないことは曲げられない。そこがちょっとした「周囲」から見たアリスと「実際」のアリスのすれ違いを生んじゃう要因のひとつなんじゃないかと)白いは白いなんですけどね(´・ω・`)
だからそんなアリスくんにはどんな真実があろうと、それを知ろうと、ちゃんとばっちり目を開けて見てほしいな・・・という親心です(笑)そして透くんに対して心変わりなんてするはずなかろうもん、ですっ
例えどんな現実が潜んでいようと、「俺はお前の味方だからなっ!」ってアリスには言ってほしいな、と思います^^
今回もアリスを素敵なそとさんワールドで描いてくださって、ありがとうございましたっ!

2014年05月28日(水) No.096103-4 - 毬屋さん

女子特有の微量の毒が鼻をくすぐる烏丸さんの描写が何だかカッコ良くって惹き付けられます。
ヘッドフォン装着が彼女の情報収集力の高さを表してるような気がして、ビジュアルと性格がスパッと合致する気持ち良さを味わっています^^
他の方のキャラを描きながらも水面下で透君のお話が進んでいってるようで、過去に何が起きたのかすごく気になります。
噂はどこまで真実に沿っているのか…、開けてはいけない扉があるのか…。
ミステリアスな夕刻の色合いが美しいです。
また作品を拝見出来るのを楽しみにしています!

2014年05月28日(水) No.096103-5 - ヨヲさん

そとさんの作品はいろんなお子さん同士が交流を深めているのが多くて見ていてとても楽しいです (*´∀`)。そして夕暮れと木造校舎の組み合わせが素敵です。(白軍は石造りの今の私立高校みたいな感じでしょうか。)影の差し方も格好良くて、アリス君の明るい笑顔と少し不安そうな烏丸さんの対比も素晴らしいです!次は一体どうなるのか、透君の秘密は何なのか、そしてそれを知ったときアリス君はどうするのか!と、とても興味をそそられます( ゚▽゚)/!

2014年05月29日(木) No.096103-6 - WhiteBさん

絵や文章から伝わる、暖かくて懐かしくて寂しい夕焼けの空気がすごく好きです。
個人的に有栖君の裸足が何故かツボだったので、心の壁すらも裸足で乗り越える、という表現がお気に入りです(´Д`*)
仮に有栖君が噂を信じて歪んだ感情を抱いたとして、烏丸はその表情を見て満たされる反面、どこか残念がってしまう自分を苦く思うんじゃないかなとか想像したら落ち込みかけたので毬屋さんのコメントで救われました^^
モノローグの中であってもご愁傷様、と皮肉めいた言葉を選んでたり、不穏な噂を伝える事は止めても完全に隠してあげたりはしなかったりと、絶妙にひねくれた思考回路が烏丸っぽくてシリアスなのにちょっとニヤニヤしてしまいました(笑)
そとさんの文章好きなので、烏丸視点で拝見出来て嬉しかったです!
透君の噂の内容、すごく気になります…!

2014年05月30日(金) No.096103-7 - うゆさん

>バドスさん
ありがとうございます!接点を追ってつながりを考えるのが楽しいです。(∩´∀`)∩あまり心情を書くと作者さんのイメージと大きなずれが出てしまいそうで難しくて。バドスさんの慮ってくださった烏丸さんの心情にきゅんとなりました。拒絶も個性という認識が素敵でたまりません。有栖くんはお姉さんがいると伺ったので、年長の女性とはスムーズに交流ができそうでもあるし、実は内面では無視とか皮肉を気にしまくりだったりしてもかわいいなあと思いました。(笑)

>のかさん
もし興味が湧かれたり、お時間がありましたら、のかさんともぜひご一緒できたら嬉しいです。(∩´∀`)∩上手く雰囲気が出せたか心配もあったので、のかさんに好きとおっしゃっていただくことができて幸せです。ありがとうございます!

>菫さん
白黒切り込み隊の絵で烏丸さんが少し穏やかな視線をされているようにも見えて妄想が広がりました!木造校舎はそれだけで雰囲気があっていいですよね。(∩´∀`)∩おかしな感じになっていないかドキドキしていたので、烏丸さんをかっこいいとおっしゃってくださってとても嬉しかったです。こんな時代なので、皆さんにもいろいろな過去があるかもしれないですね。逆にそんな過去が全くない方がおられてもそれがまたよくて。マタギのおじいさんがいるかも?なお話も、しとりんさんのちょっと深い部分に触れられたような気がして嬉しくなってしまいました!

>毬屋さん
濁らない白さ……!真っ白な布ではなくてすべてを包む光みたいで素敵です!この場面でも、烏丸さんから見た有栖くんは純粋で楽しそうだけれど、有栖くんからしたら実は凄い烏丸さんの反応にドキドキしていたり、どんな話題なら楽しんでくれるのかすごい勢いで考えていたり、本当は内心冷や汗だらだらだったりしていたかもとか思っていました。(笑)でもあきらめない、理屈でない部分でこのまま落ちて行ってしまうかもしれない烏丸さんを放っておけない、黙ってみていられない強さと優しさ。透は自分のことはだいたい度外視、自意識も理屈の上に成り立っていて、もしその噂が広がることがあっても問い詰められない限り気にすることもそんなそぶりも見せないし、問い詰められても他人事のように話すのかもしれません。それでも有栖くんのまっすぐな優しい気持ちに、心の奥に残っている部分で、自分でもよくわからないまま、ほっとするような心地になるのかもしれないなと思いました。親ばかすぎるのですが、有栖くんも毬屋さんもとても優しくて、お話を伺ってとても嬉しくて仕方がなくなってしまいました。(∩´∀`)∩ありがとうございます!

>ヨヲさん
烏丸さんの過去を伺ってからいろいろお話を想像していたのですが、ちょっとじとっとしすぎたような気がしていたので、ヨヲさんにもかっこいいとおっしゃっていただけてとても嬉しかったです。烏丸さんとヘッドフォンの組み合わせ、かっこいいですよね。ヨヲさんのイメージもすてき!皮肉を使いこなせる人は相手の弱点を瞬間的に確実に捕らえたり、情報を巧みに操ったりして、頭の回転もよさそう!烏丸さんの心情に少しでも近づけたらとでかいヘッドフォンを装着しながら書いていたのですが(怪しすぎ(笑))、不思議と守られているような、マスクをかぶっているような気分になってもしかしたら烏丸さんの心の防具でもあるのかなとも思いました。ヨヲさんにはいつも透を気にかけていただいて本当にありがたくて嬉しいです!過去も未来もきちんと描けたらいいな。

>WhiteBさん
ありがとうございます!(∩´∀`)∩白軍の皆さんも、最初はどぎまぎしたり、気にくわなかったり、逆に一目で惹かれたり、いろいろなことがあったのかな。皆さんでわいわい楽しむのも、ちょっと焦点を絞っての会話も妄想楽しいです。私立学校みたいな石造りの学校イメージかっこいい……!逆にまた明治、大正あたりに多く建てられた白塗りの西洋館みたいな雰囲気でも素敵でいいなあと思います!どちらにせよ施設が充実していそう……潜入してみたい……。街の雰囲気もちょっと違っていそうで、どちらものんびり散歩してみたいなーと思いました!|゚Д゚)花言葉、いろいろキャラクターさんたちへ透で送ってみていたのですが、ほかの方へは穏やかだったり、切なかったりしていたのですが、七希さんへだけ執着心が凄くて。「相馬透が嶋七希へ贈る花はスグリです。花言葉は「あなたに嫌われたら私はしにます」」になって透、何があった!になりました。(笑)

>うゆさん
わーい、うゆさんもありがとうございます!有栖くんの裸足、怪我だけ気をつければいざというときにいろいろな場所を足場にしても安定しそうだし、日本の剣士さんぽくてかっこいいですね。トイレのスリッパの話もかわいくて。(笑)長々内面を書いてしまってブルブルしていたのですが、好きとおっしゃってくださったり、にやにやしてくださったと伺って本当に嬉しかったです。(∩´∀`)∩自分と同じ位置に落ちてくる喜びというか安心感というか少し仄暗い感情はきっと誰でも持っていて、それを残念がる優しさだったり、またそれを苦く思ったり、烏丸さんの複雑な葛藤がすごく人間らしくて。学生戦争の周りの世界も一緒に生き生きとしてくるような、血が通ってくるような気がしてきます!うゆさんが以前描かれた白黒切り込み隊のイラストで、ちょっと優しげな烏丸さんの表情がとても好きだったので、お二人を描かせていただけてとても楽しかったです。透のことも気にかけてくださってありがとうございます!初期にキャラクターが定まらずに設定をこねくり回したのでちょっと混沌としているのですが、上手くまとめられたらいいなと思います。щ(゚Д゚щ)もう皆さんがかわいくてかわいくて、ただひたすらもうみんな幸せになってくれと願わずにおれないです。

>拍手もありがとうございます!(∩´∀`)∩

更新:2014年06月01日(日) No.096103-8 - そとさん

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